食人習慣をテーマとし、過激な内容でありながら漫画・ドラマ共に人気を博したサスペンススリラー『ガンニバル』。
2025年3月19日からディズニープラスにてドラマシーズン2の独占配信が決定しており、シーズン1を観た人は今から楽しみにしていることでしょう。
供花村の食人習慣やそれにより引き起こされる病気についてなど、少しずつ事実が明らかにされていくものの、様々な謎が残される状態で終了したシーズン1。
そしてやはり気になるのが『ガンニバル』の中で最も異彩を放っている「あの人」と、白銀と呼ばれている存在の正体ですよね。
ここでは白銀の正体は「あの人」なのか、そして彼は病気なのかについてもお伝えしていきたいと思います。
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ガンニバルの白銀があの人の正体?
後藤家では〝象徴〟として君臨し絶対的な決定権を持ち、村人からは現人神(あらひと)と畏敬の念を集める存在である「あの人」。
そこにいるだけで空気が変わるほどの存在感を放っていますが、作中では名前を呼ぶ人はほとんどいません。
それは「あの人」自身が名前を誰かに伝えることがなく、また生い立ちを知る人もほとんどいないからです。
しかし実は彼がまだ母親の胎内にいるとき、供花村の唯一神を祀る来乃神神社の現神主から「白銀」と名付けられています。
つまり、白銀が「あの人」の正体なのです。
それでは、「あの人」とはどのような人物なのか、真相を突き詰めていきましょう。
ガンニバルのあの人の名前は?
ガンニバルで登場する「あの人」の名前は「白銀(しろがね)」です。
名前を知るのは「あの人」の母親と現神主、そしてもう一人のある主要人物だけで、その後もそれが周囲に知られることはありませんでした。
原作漫画を読んだ人は、白銀(しろがね)と名付けられるあのシーンに少なからず感動を覚えたのではないでしょうか。
「その子が生きていく世界はしがらみが一切ない真っ白な世界、白銀のような世界を力強く生きてほしい。」
一面の雪景色を前に、供花村が良い方向に向かうように、そして白銀とその母親となる女性が幸せになるようにと願いを込めて、ある人がそう名付けました。
これまでのストーリーを顧みるとそのシーンはある意味異質で、そしてどこか切なくて愛に溢れた場面ではないかと思います。
ガンニバルのあの人の最後は死亡した?
壮絶な生い立ちを抱える中、尚も人を食らい続けた「あの人」はどんな最後を迎えたのでしょうか?
その最後の舞台は、期せずしてその年の生贄となり連れ去られてしまった主人公の娘・ましろがいる奉納祭です。
今まさに食おうとするその時、ましろのある一言で「あの人」は奇跡的に人の心を取り戻し、自分が今まで食べてきたものが何だったのかを自覚します。
そしてその隙をついて後藤家の次期当主である後藤恵介(ごとうけいすけ)が銃で頭を撃ち抜き、最後は己の腕を食いながらその人生に幕を閉じたのです。
最期の姿は一見狂気に満ちているようですが、これまで食べてきた人たちへの贖罪を思わせるものでもありました。
こうして後藤家の絶対的存在だった「あの人」はいなくなり、後藤家に子どもが捧げられるという忌まわしい歴史に終止符が打たれることとなりました。
ガンニバルのあの人が病気なのかも紹介
その巨躯からは想像できない身体能力で、主人公の前に幾度となく立ちはだかる「あの人」ですが、その人間離れした力の根源は何なのでしょうか?
有力なのは「あの人」が人肉を食らうことで発症する、クールー病が原因ではないかという説です。
クールー病とは、食人によって感染する脳疾患です。
現実にもこの病は存在しており、葬儀の際に遺体を食べるという習慣があるパプアニューギニアの少数民族であるフォレ族で流行しています。
ガンニバルでは、幼少期より人を食らって生きてきた「あの人」はクールー病が発症していますが、発症後1~2年で死に至るこの病を克服し、現在まで生きながらえています。
そして来乃神神社には、クールー病が発症したがそれを克服した者がいるという伝承が残っており、その姿は現在の「あの人」と特徴が一致しています。
「あの人」の中ある病に対する耐性が、クールー病の症状である運動障害や認知障害を変化させ、身体能力や発言に影響を与えているのかもしれません。
原作漫画で既に明らかになっている「あの人」の生い立ちを思うと、彼もまた供花村と後藤家の狂気の犠牲者であると感じてしまいます。
ガンニバルのあの人の身長は?
実写ドラマのシーズン1を観た人はわかるかと思いますが、「あの人」はとにかく大柄でそれに似つかわしくない身体能力を誇っています。
原作漫画では明確に記されてはいませんが、実写ドラマで「あの人」を演じた澤井一希さんの身長は195㎝であり、モデルとしても活躍している方です。
そして来乃神神社の伝承では、クールー病を克服した人の身丈は七尺(約210㎝)に及ぶと残されていることから、「あの人」の身長は200㎝前後と推測されます。
そんな人が鎌を持って襲い掛かってきたら、大抵は腰が抜けて動けなくなりそうですが、それと対峙する主人公の強さには「さすが」と言わざるを得ませんね。
でもその大きな体と醸し出す異様な雰囲気が、後藤家で〝象徴〟として敬われ、村人が現人神として畏れる所以なのかもしれません。
ガンニバルのあの人の父親は誰?
現在の「あの人」のイメージが強い人には想像しにくいかもしれないですが、実は原作漫画でも父親は判明していません。
有力候補なのは、母親と深い関係にあった神山正宗(かみやままさむね:来乃神神社の現神主)と、後藤金次(ごとうきんじ:当時の後藤家当主息子)の二人。
正宗は「あの人」の母親に体で篭絡されるものの彼女に対する愛情があり、父親が誰か分からないと告げられても自分の子だと懐妊を喜びました。
対する金次は「あの人」の母親に並々ならぬ執着心を見せますが、彼女を人として扱おうとせず、父親が誰であろうとも産むことを許そうとしませんでした。
それでも今際の際に、彼女に対し愛の言葉をささやいています。
こんな対照的な二人ですが、どちらが父親であるべきかはそれぞれの人となりを知れば、誰の目から見ても明らかですね。
ガンニバルのあの人の母親は誰?
あの人の母親は、後藤家の当代当主・後藤銀(ごとうぎん)です。
銀は若いころ母親譲りの美しい容貌をしていましたが、その出生から後藤家や村人から妾の子・阿婆擦れと蔑まれ、疎まれながら生きてきました。
その復讐心から村を支配しようと、有力者である来乃神神社の神主の息子だった正宗を懐柔しようと近づき、それに成功します。
「あの人」を身籠ったあと村人により奉納祭の生贄とされますが、山中に逃れた銀はその後出産し、捜索に来た村人を狩りながら復讐の機会をうかがいます。
因みに銀の父親・母親ともに後藤家の人間ではないため、当然ながら金次との直接的な血縁関係にはありません。
まとめ
ここまで『ガンニバル』の象徴ともいえる「あの人」と白銀の正体、病気についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
実写ドラマのシーズン2を観る前の予備知識として、本記事が少しでも役に立てたのなら光栄です。
シーズン1とは違った感動的なシーンがあるかもしれないシーズン2は、原作の設定がどこまで反映されるのかとても楽しみですね!
原作漫画に興味がある人は、描写がそこそこグロテスクですが結末が近づくにつれてストーリーに夢中になるはずですので、ぜひ読んでみてください。
食人によって発症する病気や「あの人」と白銀の正体などの真実を知った時、『ガンニバル』のキャラクターたちに対する見方が変わることでしょう。