十角館の殺人の伏線で守須の動機は?矛盾があって期待外れ?

十角館の殺人の伏線で守須の動機は?矛盾があって期待外れ?
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人気推理作家・綾辻行人先生のデビュー作『十角館の殺人』が話題になっていますね!

その理由は、実写化不可能と言われたこの作品の映像化が決まったからです。

『十角館の殺人』は、ある一文で真相が全て明らかになる叙述トリックが有名な一冊ですが、その伏線はどんな風に張られていたのでしょうか?

この記事では『十角館の殺人』の伏線や、殺人犯・守須の動機などについて、ネタバレも含んで解説していきます♪

一部のレビューでは、犯人の守須の動機が弱いという声や、作品に矛盾があって期待外れだという声も。

『十角館の殺人』のどんな点に矛盾があるのか、本当に期待外れだと言えるのかどうかについても詳しく説明していきますね!

 

十角館の殺人の伏線で守須の動機は?

『十角館の殺人』では、無人島・角島に渡った推理研究会メンバー7人の間で連続殺人事件が発生します。

ある手紙をきっかけに、その連続殺人と関わる半年前の角島での事件について、本土にいる江南と島田という人物が調査に乗り出すことに。

二人は調査中に推理研究会の元メンバー守須に相談をするのですが、実はその守須が連続殺人の真犯人だったのです。

彼の一言によって、守須が無人島に渡ったメンバー・ヴァンと同一人物だったことが明らかになり、彼の犯行が明らかになっていきます。

守須は移動を繰り返しながら推理研究会メンバーを殺していくのですが、その動機は恋人の中村千織を見殺しにされたことへの復讐でした。

彼がなぜ復讐に走ることになったのか、登場人物について整理しながら解説していきますね。

 

十角館の殺人の主な登場人物

角島でヴァン(守須)を除く全員が殺されることになってしまった推理研究会のメンバー6人について、死因なども交えて紹介します。

※殺された順番に並んでいます。

  • オルツィ:3日目の朝、絞殺死体で発見。守須と中村千織の交際を示す指輪をしていたため、その証拠隠滅のために手首を切り落とされる。
  • カー:3日目の昼、コーヒーを飲んでいる時に毒殺される。
  • ルルウ:5日目の朝に発見。ヴァン(守須)が本土と行き来している様子を目撃してしまい、口封じのために撲殺される。
  • アガサ:5日目の朝、浴室で発見。リップに塗られた毒によって毒殺されていた。
  • ポウ:5日目の推理中、煙草を吸った時に毒殺される。
  • エラリイ:十角館の地下室を発見後、ヴァンによって殺された。

推理研究会のメンバーが殺された理由は、ヴァンが恋人を見殺しにされたことを恨んでいたからです。

彼の恋人・中村千織は推理研究会のメンバーであり、十角館を建てた中村青司の娘でもありました。

一年前の推理研究会の飲み会の席で、彼の恋人である千織がアルコールが原因で急死したときに、参加していたメンバーは彼女を救うことができませんでした。

大学生のバカ騒ぎのせいで人が死んでしまう、という事件は現実でもあり得ますが、ヴァンはメンバーたちを許すことができなかったのでしょう。

オルツィなどは、中村千織の死について罪悪感を感じている描写があり、彼女を最初に殺したのはヴァンの慈悲でもありました。

亡き恋人の父親が建てた十角館という因縁の場所で、ヴァンは復讐を成し遂げたのです。

 

十角館の殺人の伏線に矛盾があって期待外れ?

『十角館の館の殺人』ですが、高評価を受けている一方で、一部の読者からは批判を受けています。

それらの批判は、トリックそのものや小説としての矛盾を指摘しています。

あくまでも私の印象ですが、推理小説が好きな人ほど、『十角館の殺人』を批判している人が多いようです。

無人島という舞台を十分に使って、完全犯罪を成立させようとした『十角館の殺人』ですが、具体的にどんな部分が悪かったのでしょうか?

『十角館の殺人』に使われている「叙述トリック」について説明しつつ、矛盾点について詳しく説明していきますね。

 

十角館の殺人のトリック

『十角館の殺人』のトリックは、ある一場面でほとんどが明らかになります。

本土に留まっているはずの守須が、無人島に渡ったヴァンと同一人物だということが判明する場面です。

その後、小説の主な視点が犯人側に移り、ヴァンの犯行動機や殺害方法が明らかになっていきます。

読者は、推理研究会と一緒に犯人の正体や動機を推測するわけですが、守須の告白によってすべての前提が覆されてしまう、という叙述トリックが張り巡らされているのです。

ヴァンは、無人島では体調不良を装ってメンバーの前から姿を消しつつ、半年前の事件を利用して疑いを別の人物に集中させます。

その人物というのは、半年前の事件で行方不明になっている吉川誠一という庭師です。

半年前の連続殺人事件は、中村青司による無理心中事件でした。

(この事実は、無人島の日々と並行して行われている本土の調査で明らかになります。)

発狂した中村青司によって、妻の和枝、使用人の北村夫妻が殺されたのです。

エラリイは吉川、あるいは中村青司が生き残っていて、推理研究会メンバーを殺していると推理しましたが、ヴァンはその勘違いをうまく利用するんですね。

無人島でメンバーを殺しながら、船を使って本土に戻ることでアリバイを作って、ヴァンは完全犯罪を成し遂げようとしました。

実際、完全犯罪はほとんど成立するのですが、ヴァンは自首するという未来が示唆されて小説は終わります。

 

十角館の殺人の矛盾点

実は、トリックという意味でこの小説に矛盾点は全くありません。

守須=ヴァンは目まぐるしい移動を繰り返していますが、その移動や時間設定にも矛盾や無理矢理な部分はほとんどありません。

ただし、推理小説にはいくつかのルールがあり、『十角館の殺人』はそれを破っているために批判されているんです。

本来、三人称視点は神の視点であり、推理小説では、読者に起こったありのままを提示することが求められます。

しかし、この『十角館の殺人』では、守須とヴァンが同一人物だという事実を、読者も知ることができません。

厳格にルールが定められているというわけではなく、暗黙の了解で使ってはいけない禁じ手を使ってしまった小説というわけです。

また、この作品の重要なトリックが、アガサ・クリスティーの有名な作品と非常に似ていることも、批判の対象になっているようです。

 

まとめ

実写化で話題の『十角館の殺人』について、小説の伏線や犯人・守須の動機について解説してきました。

大どんでん返しがあることで非常に有名な『十角館の殺人』ですが、一方で多くの批判も受けているようです。

矛盾があって期待外れだった、という声もありますが、それはどういった理由で言われているのでしょうか?

この記事では、守須の犯行動機や伏線だけでなく、小説の批判理由についても説明しています。

『十角館の殺人』は本当に矛盾があり、期待外れなのでしょうか?

もちろん、批判意見があっても、日本推理小説の傑作であることに変わりはないですよね!

実写化がどのように行われるのかも楽しみですね♪

 

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